第9号(2003.6.1) 日本は南北に長い、季節感が豊かな国です。 今では野菜や果物などはハウス栽培や促成栽培などで、 一年中ある物が多いのですが、それでも季節がやってくると『新もの』 なんて文字が店頭に踊ります。 季節を感じる時それは自ずと、おもてなしの時には特に、器にも表れて くるものです。 色合いなら、寒い時には暖かさを感じさせる様なもの、暑い季節には涼 を感じさせるもの。 器の生地などの素材感も大切な要素です。 「中国茶のモノで」と決めることはありません。 和洋の器にも、中国茶を美味しくする手助けになる物は沢山あります。 要は、いつでもそうですが、美味しく感じることのできる環境です。 (茶葉の善し悪しは、今回は横に置いておきますね) どんなに小さな時間でも、どなたかに美味しくお茶を召し上がって欲しい。 自分一人で飲む時も、少しお茶を大切に感じたい。 家族で持つ豊かなお茶の時間に、楽しさを。 そのどの時でも、器は大切な脇役になってきます。 冬なら暖かそうな、ぽってりした陶器にナッツやドライフルーツを入れて 出せば、愛らしく美味しそうで手が出ます。 夏なら白磁や青磁の冷たくつるんとした肌を楽しむような器で。 そして、どの季節にも活躍するのはガラス器です。 良く見回して下さい、家の中にはガラス器がいっぱい。 茶葉の形状を楽しむ中国緑茶や白茶などは特に、ガラスで煎れると、葉が 開いてゆく様や、湯の中を上がり下がりしている様を楽しむことが出来ます。 茶海もガラスだと良く水色が分かります。 上手に煎れる自信のない茶(買って来たてで蒸らし時間が把握できないもの などです)はガラス器で煎れてみることが多いです。 水色や葉の開き具合から飲み頃を推察するのです。 もちろん涼しさを演出する手立てとしても、ガラスは昔から多用されてきました。 お気に入りのガラスの小鉢に盛れば、小さく切っただけの中国菓子も素敵。 ガラスの分厚い角皿などに、種類毎にお茶請けを小盛りにしておけば、ちょっと 選ぶのが楽しいおもてなしになります。 お茶をいただく器も、季節で少しだけ模様替え。 冷茶を飲むのに気持ちの良い口当たりの物に変えてみて下さい。 夏のお茶の、また一つ新たな魅力が開花します。